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2025年06月07日

【レコードの世界】知っておきたいレコードの”回転数”と”サイズ”

33回転?45回転?EPとLPの違いとは?


音楽とコーヒーを楽しむ隠れ家 ライブ喫茶ELAN

広く落ち着いた雰囲気の店内に、往年の名曲を収めたレコードが所狭しと並ぶ。ライブ喫茶ELANは、音楽とコーヒーを楽しめる喫茶店です。
音楽を楽しみながら、ゆったりとしたくつろぎの時間をお過ごしください。


こんにちは。名古屋のライブ喫茶ELANです。
当店では数千枚のレコードコレクションを擁し、お客様に本格的なアナログサウンドをお楽しみいただいております。
今回は、レコードを愛する皆様に向けて、意外と知られていないレコードの基礎知識について詳しくご紹介したいと思います。

レコードの魅力とは

デジタル音源が主流となった現代において、なぜレコードが再び注目を集めているのでしょうか。それは、レコードが持つ独特の温かみのある音質、そして物理的なメディアとしての存在感にあります。針がレコードの溝を辿る瞬間、そこから生まれる音楽は、デジタルでは再現できない豊かな倍音と自然な響きを持っています。

当店ELANでも、多くのお客様がレコードの持つこの独特な魅力に引き寄せられ、何時間もかけて音楽に浸っていらっしゃいます。しかし、レコードについて詳しく知らない方も多いのが現状です。そこで今回は、レコードの基本的な知識である「回転数」と「サイズ」について、詳しく解説させていただきます。

レコードの回転数について

33回転(33 1/3 RPM)とは

33回転レコードは、正確には33と3分の1回転毎分(RPM:Revolutions Per Minute)で再生されるレコードです。これは最も一般的なレコードの規格の一つで、長時間の音楽収録を可能にしています。

33回転レコードの歴史は1948年にコロムビア・レコードが発表したLong Playing Record(LP)に遡ります。それまでの78回転レコードと比較して、格段に長い収録時間を実現したこの規格は、音楽業界に革命をもたらしました。

33回転レコードの特徴として、一面あたり約20分から25分程度の音楽を収録できることが挙げられます。両面合わせると40分から50分の音楽を楽しむことができ、これにより完全なアルバム作品を一枚のレコードに収めることが可能になりました。

45回転(45 RPM)とは

45回転レコードは、45回転毎分で再生されるレコードで、主にシングルレコードに使用される規格です。1949年にRCAビクターによって開発されたこの規格は、より高い音質を実現する一方で、収録時間は短くなっています。

45回転レコードの大きな特徴は、その音質の良さにあります。回転数が速いため、針が溝を辿る速度も速くなり、より細かい音の情報を再現することができます。これにより、特に高音域でのクリアさが向上し、楽器の分離感や音の立体感がより鮮明に表現されます。

一面あたりの収録時間は約4分から7分程度となっており、主にヒットシングルやダンスミュージックなどに使用されています。当店でも45回転のシングルレコードを数多く所蔵しており、1960年代から80年代のポップスやソウルミュージックなどを45回転で楽しんでいただけます。

78回転(78 RPM)の歴史

現在ではあまり見かけることのない78回転レコードですが、これはレコードの歴史において非常に重要な役割を果たしました。1890年代から1950年代頃まで主流だった78回転レコードは、エミール・ベルリナーによって開発されたグラモフォンで使用されていました。

78回転レコードは主にシェラックという材料で作られており、現在のビニール製レコードと比べて脆く、重いという特徴がありました。一面あたりの収録時間は約3分から4分程度と短く、長い楽曲は複数のレコードに分けて収録する必要がありました。

しかし、78回転レコードには独特の音質的特徴があり、現在でもコレクターや音楽愛好家の間で高く評価されています。当店でも数十枚の78回転レコードを保有しており、特別なリクエストがあった際にはご紹介させていただいております。

レコードのサイズについて

12インチレコード(LP:Long Playing Record)

12インチレコード、通称LPは、直径約30センチメートルのレコードです。これは33回転で再生され、長時間の音楽収録を可能にした革新的な規格でした。

LPレコードの最大の特徴は、その収録時間の長さにあります。片面約20分から25分、両面合わせて40分から50分の音楽を収録できるため、アーティストの完全なアルバム作品を一枚のレコードに収めることができます。これにより、音楽作品をトータルな芸術作品として捉える「アルバム」という概念が確立されました。

12インチLPは音質面でも優れた特性を持っています。大きなサイズにより、溝の幅を広く取ることができ、より豊かな低音域の再現が可能になります。また、溝の密度を調整することで、楽曲の動的な表現も向上しています。

当店ELANでは、ジャズ、クラシック、ロック、ポップスなど様々なジャンルの12インチLPを豊富に取り揃えております。特にジャズのLPレコードは音質が素晴らしく、アナログならではの温かみのある音色を存分にお楽しみいただけます。

7インチレコード(EP:Extended Play/シングル)

7インチレコード、通称EPまたはシングルレコードは、直径約17センチメートルの小さなレコードです。主に45回転で再生され、ヒットシングルや短い楽曲の収録に使用されます。

7インチレコードの特徴は、そのコンパクトなサイズと優れた音質にあります。45回転という高い回転数により、特に中高音域での音質が非常にクリアで、ボーカルの表現力や楽器の細かなニュアンスが鮮明に再現されます。

収録時間は片面約4分から7分程度で、主にヒットシングルのA面とB面カップリング曲に使用されます。B面には実験的な楽曲やインストゥルメンタル版などが収録されることも多く、アーティストの隠れた名曲に出会える楽しみもあります。

当店では1950年代から1980年代までの様々な7インチシングルレコードを所蔵しており、懐かしのヒットソングから知られざる名曲まで、幅広くお楽しみいただけます。

10インチレコード

12インチと7インチの中間サイズにあたる10インチレコード(直径約25センチメートル)も存在します。主に1950年代に使用されていた規格で、33回転で再生されます。

10インチレコードは、78回転時代から33回転LPへの過渡期に使用された規格で、片面約12分から15分程度の収録が可能でした。ジャズやクラシック音楽の短いアルバムや、78回転では収まりきらない長めの楽曲の収録に使用されていました。

現在では珍しい規格となっていますが、音質的には独特の特徴があり、コレクターの間では高く評価されています。当店でも数枚の10インチレコードを保有しており、特別なリクエストの際にはご紹介させていただくこともあります。

EPとLPの詳細な違い

収録時間の違い

EPとLPの最も分かりやすい違いは収録時間です。EP(7インチ45回転)は片面約4分から7分、両面合わせて約8分から14分程度の収録時間となります。一方、LP(12インチ33回転)は片面約20分から25分、両面合わせて約40分から50分の収録が可能です。

この収録時間の違いは、音楽の楽しみ方にも大きな影響を与えています。EPは主にヒットシングルや短い楽曲の収録に適しており、気軽に楽しめる形態です。LPは完全なアルバム作品の収録に適しており、アーティストの世界観を深く味わうことができます。

音質特性の違い

EPとLPでは音質特性にも違いがあります。EPは45回転という高い回転数により、特に中高音域での解像度が高く、ボーカルや楽器の細かな表現が鮮明に再現されます。一方、LPは33回転という比較的低い回転数ですが、12インチという大きなサイズにより豊かな低音域の再現が可能です。

これらの特性により、楽曲のジャンルや内容によって最適な形態が選択されることがあります。ポップスやロックのヒットシングルはEPで、ジャズやクラシック音楽の長い楽曲はLPで収録されることが多いのはこのためです。

価格と入手しやすさの違い

一般的に、EPはLPよりも価格が安く設定されることが多く、音楽ファンにとって入手しやすい形態でした。これにより、多くの人が気軽に音楽を楽しむことができ、ヒットチャートの形成にも大きな影響を与えました。

現在のヴィンテージレコード市場においても、この傾向は続いており、希少なEPシングルは高値で取引される一方、一般的なLPは比較的入手しやすい価格で流通しています。

レコードの材質と製造について

ビニール製レコードの特徴

現代のレコードのほとんどは塩化ビニール樹脂で製造されています。ビニール製レコードは耐久性に優れ、音質も安定しているため、長期間にわたって良好な状態を保つことができます。

ビニール製レコードの製造過程では、まずマスター録音からメタル製のスタンパーが作成され、それを使用して溶融したビニールを成形します。この過程で、音楽の情報が物理的な溝として刻まれ、後に針で読み取られることになります。

音質に影響する要因

レコードの音質は、材質だけでなく製造精度、保管状態、再生機器の品質など様々な要因に影響されます。特に溝の精度は音質に直接関わるため、高品質なレコードプレスが重要になります。

当店ELANでは、音質を最大限に引き出すため、定期的にメンテナンスされた高品質なターンテーブルとカートリッジを使用してレコードを再生しています。これにより、お客様には最高の音質でレコード音楽をお楽しみいただけます。

レコードの正しい取り扱い方法

保管方法

レコードを長期間良好な状態で保つためには、適切な保管が重要です。レコードは必ず垂直に立てて保管し、直射日光や高温多湿を避ける必要があります。また、重量をかけすぎないよう注意し、適度な間隔を空けて収納することが大切です。

当店では数千枚のレコードを適切な環境で保管しており、お客様にリクエストいただけば良好な状態のレコードをお楽しみいただけます。

クリーニング方法

レコードの音質を保つためには、定期的なクリーニングが必要です。専用のレコードクリーナーを使用し、溝に沿って内側から外側に向かって清拭します。決して円周方向に拭いてはいけません。

また、静電気を除去するためのアンチスタティック処理も効果的です。これにより、ホコリの付着を減らし、より良い音質を維持することができます。

現代におけるレコードの価値

アナログサウンドの魅力

デジタル全盛の現代において、なぜレコードが再び注目されているのでしょうか。それは、アナログレコードが持つ独特の音質的特徴にあります。レコードの音は「暖かい」「自然」「立体的」と表現されることが多く、これはデジタル音源では再現できない魅力です。

この音質的特徴は、アナログ録音・再生の物理的特性に由来しています。音の波形が物理的な溝として記録され、それを針で物理的に読み取ることで音楽が再生されるため、音楽のニュアンスがより自然に表現されるのです。

コレクターズアイテムとしての価値

レコードは音楽メディアとしてだけでなく、コレクターズアイテムとしても高い価値を持っています。特に初回プレス盤、限定盤、プロモーション盤などは希少性が高く、音楽ファンやコレクターの間で高値で取引されています。

また、レコードジャケットのアートワークも重要な要素です。12インチLPの大きなジャケットには、アーティストの写真や美しいイラストが印刷されており、視覚的にも楽しむことができます。これは音楽の聴覚的体験に視覚的体験を加える重要な要素となっています。

音楽文化への影響

レコードは単なる音楽メディアを超えて、音楽文化そのものに大きな影響を与えてきました。DJカルチャーはレコードがあったからこそ発展したものですし、アルバムという概念も12インチLPの登場により確立されました。

現在でも多くのアーティストがレコード盤でのリリースを行っており、音楽ファンにとってレコードは特別な存在であり続けています。当店ELANでも、こうしたレコード文化の継承と発展に微力ながら貢献したいと考えております。

ライブ喫茶ELANでのレコード体験

当店のレコードコレクション

ライブ喫茶ELANでは、1950年代から現代まで、様々な時代とジャンルのレコードを取り揃えております。ジャズ、ロック、ポップス、クラシック、ソウル、ファンクなど、幅広いジャンルをカバーしており、お客様のリクエストにもできる限りお応えしています。

特にジャズレコードのコレクションには自信があり、マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスなどの名盤から、日本のジャズミュージシャンの作品まで幅広く所蔵しています。これらの作品を高品質なオーディオシステムでお楽しみいただけるのが当店の特徴です。

音響設備へのこだわり

レコードの魅力を最大限にお伝えするため、当店では音響設備にも強いこだわりを持っています。定期的にメンテナンスされたターンテーブル、高品質なカートリッジ、そして音楽喫茶に適したスピーカーシステムにより、レコード本来の音質をお楽しみいただけます。

また、店内の音響特性にも配慮しており、お客様がどの席に座られても良好な音質で音楽をお楽しみいただけるよう設計されています。

お客様との音楽体験の共有

当店では、単にレコードを再生するだけでなく、お客様との音楽体験の共有を大切にしています。レコードに関する知識や楽曲の背景、アーティストの逸話などをお話しながら、より深い音楽体験をご提供しています。

また、お客様からのリクエストも積極的にお受けしており、一緒に音楽の世界を探求していくことを楽しみにしています。レコードについてご不明な点があれば、お気軽にお声かけください。

まとめ

レコードの回転数とサイズについて詳しくご紹介してきましたが、これらの知識を頭に入れておくことで、レコード音楽をより深く楽しむことができるはずです。
33回転のLPレコードでは長時間のアルバム作品を、45回転のEPレコードでは高音質のシングル楽曲を楽しむことができ、それぞれに独特の魅力があります。

現代においてもレコードが愛され続けているのは、その音質的な魅力だけでなく、物理的なメディアとしての存在感、ジャケットアートの美しさ、そして音楽文化への深い関わりがあるからです。

ライブ喫茶ELANでは、これからもレコード文化の素晴らしさをお客様にお伝えし、共に音楽を楽しんでいきたいと思っています。レコードについてもっと知りたい方、実際にレコード音楽を体験してみたい方は、ぜひ当店にお越しください。

美味しいコーヒーとともに、レコードが奏でる素晴らしい音楽の世界をお楽しみいただけることをお約束いたします。皆様のご来店を心よりお待ちしております。


ライブ喫茶ELAN 音楽とコーヒーを楽しむ隠れ家

 

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Cafe & Music ELAN 

やわらかな音と、香り高い一杯を。

名古屋市熱田区外土居町9-37
光大井ハイツ1F 高蔵西館102
052-684-1711
 営業時間|10:00〜23:00
定休日|月曜・第1&第3火曜日
アクセス|金山総合駅より大津通り南へ徒歩15分
市営バス(栄21)泉楽通四丁目行き「高蔵」下車すぐ
地下鉄名城線「西高蔵」駅より東へ徒歩7分
JR熱田駅より北へ徒歩9分

ゆったりと流れる時間のなかで、
ハンドドリップのコーヒーとグランドピアノの音色がそっと寄り添います

あなたの今日が、少しやさしくなるように。
Live Café ELAN でお待ちしております