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2026年02月13日
カフェ時間が変わる「音楽の力」
「同じコーヒーなのに、今日はなんだかおいしく感じる」──その裏側には、音楽の存在があることがよくあります。カップの中身は同じでも、流れている音楽によって、感じ方や時間の進み方が変わるのです。
たとえば、静かなピアノトリオが流れているとき、お客様の声は自然と少し小さくなり、店内に穏やかな一体感が生まれます。一方で、ソウルやファンクなどリズムの効いた音楽をかけると、「今日はちょっとしゃべりたい気分」というお客様が増え、会話も弾みやすくなります。同じお席、同じカップでも、音楽が変われば「居心地」そのものが変わる、といっても過言ではありません。
実際にELANでも、午前中は読書や仕事をされるお客様が多いため、静かめのジャズやインストゥルメンタル(歌の入っていない音楽)を中心に選んでいます。夕方から夜にかけては、少しテンポのある曲やボーカルものも織り交ぜて、「一日おつかれさま」と肩の力が抜けるような空気を作っています。
ある常連様は、こんなことをおっしゃいました。「ここのコーヒーはもちろん好きなんだけど、音楽があるから”自分の時間”って感じがするんです」。お店としては何よりうれしい言葉であり、音楽がカフェ時間に与える影響の大きさをあらためて実感させられるエピソードです。
コーヒーの味わいと音楽の関係
ELANでは、自家焙煎のコーヒーとレコードを組み合わせる「マリアージュ(相性の良い組み合わせ)」を意識しています。コーヒーも音楽も、ともに「香り」「余韻」「深み」といった言葉で語られる世界だからです。
コーヒー豆は焙煎度(どのくらいの時間、どのくらいの温度で焼いたか)によって、味の印象が大きく変わります。一般的には、浅煎りは酸味がさわやかで、明るく軽やかな印象、中深煎り〜深煎りになるほどコクや苦味、重厚感が増していきます。
この「軽やかさ」「重厚感」というイメージは、そのまま音楽選びにも活かすことができます。
- 浅煎りコーヒー: アコースティックギター、ボサノヴァ、軽快なジャズなど、透明感のある音
- 中深煎り: ピアノトリオ、メロウなソウル、落ち着いたボーカルジャズ
- 深煎り: ブルース、バラード、重厚なビッグバンドやクラシックの弦楽
たとえば、浅煎りのエチオピアなど、フルーティーで香り高いコーヒーには、軽やかなボサノヴァがよく合います。カップを口元に運んだ瞬間に立ちのぼる香りと、ギターの柔らかなリズムが重なり合い、朝の目覚めの一杯にぴったりの時間が生まれます。
逆に、深煎りのフレンチローストをゆっくり味わいたいときは、ピアノのバラードや、少し渋みのあるジャズボーカルを合わせてみてください。苦味とコク、そして音の密度が、静かな夜のひとり時間にしっとりと寄り添ってくれます。
ELANでは、お客様が「今日はどんな気分ですか?」と尋ねてくださることがあります。そのときは、コーヒーのお好みをお伺いしながら、「もしお時間があれば、こんなレコードも一緒にいかがでしょう」とおすすめすることもあります。ある日、「今日は少し疲れていて…」とおっしゃったお客様には、深煎りブレンドと、あたたかいピアノトリオのレコードを組み合わせてお出ししました。帰り際に「なんだか、背中をさすってもらったみたいな時間でした」と笑顔で言っていただき、コーヒーと音楽の相性を大事にしていてよかったと感じた瞬間でした。
カフェでのシーン別・音楽の選び方
「カフェ時間」とひと言でいっても、過ごし方は人それぞれです。読書、勉強、仕事、おしゃべり、ぼんやりとしたひとり時間──そのシーンごとに音楽を選ぶと、同じ空間でも居心地がぐっと変わります。
読書や勉強、仕事に集中したいとき
集中したいときに意識したいのは、「歌詞の有無」と「テンポ」です。人の脳は言葉に注意を向けやすいので、日本語や英語の歌詞が前面に出ている音楽は、読書や文章作業の妨げになることがあります。
- 歌のないジャズ(インストゥルメンタル)
- ピアノソロ、ピアノトリオ
- アンビエントミュージック(環境音楽)
こうした音楽は、耳に心地よく、なおかつ集中力の妨げになりにくいため、ELANでも午前〜昼過ぎの時間帯に多く選んでいます。実際に、「ここに来ると作業が進むんです」と、ノートパソコンを持ち込まれるお客様も少なくありません。
友人とのおしゃべり、デートのひととき
会話を楽しみたいときは、「静かすぎず、うるさすぎない」バランスが大切です。リズムが心地よく、歌も入っているけれど、主張しすぎない音楽が向いています。
- ボサノヴァ
- ソフトロックやAOR
- 1950〜70年代のポップス、ソウル
ELANでも、週末の午後は少し明るめのボーカル曲を織り交ぜ、初めて来店される方にも「入りやすい空気」を意識しています。常連のお客様同士が、懐かしの曲をきっかけに「この曲、昔よく聴いてたんですよ」と会話を弾ませることもあり、お店としても嬉しい時間です。
一人でぼんやり、心を落ち着かせたいとき
何かをするわけではなく、ただコーヒーを飲みながら心を整えたいときもあります。そんなシーンでは、音数の少ない曲や、静かな余白のある音楽を選ぶと、「考えすぎない」優しい時間が生まれます。
- 静かなピアノやギターのソロ
- 弦楽器のしっとりしたクラシック
- ゆっくりとしたテンポのバラード
ELANでは、閉店間際に近づくにつれ、こうした静かな曲を多めにしています。一日の終わりにふらりと立ち寄ってくださるお客様も多く、「ここに来ると、気持ちがリセットされる」と言っていただくことが増えてきました。
ある夜、仕事帰りと見えるお客様がカウンター席でしばらく黙ってコーヒーを召し上がっていました。そのとき流れていたのは、ピアノとサックスの柔らかなデュオ。レコードを裏返して2曲目が終わる頃、お客様がふと「今日は何も話せないくらい疲れてたんですが、音楽とコーヒーだけで十分ですね」とつぶやかれたのが印象的でした。
レコードだからこそ生まれる「カフェ時間」
ライブ喫茶ELANの店内には、往年の名曲を収めたレコードが所狭しと並んでいます。レコードならではの味わいは、デジタル配信の音楽にはない「時間の流れ方」を生み出してくれます。
まず、レコードはA面とB面があり、片面が終わると裏返す必要があります。このひと手間が、「一曲ごと」ではなく「アルバム一枚分の時間」を意識させてくれます。カフェの空間にとっても、アルバム単位で流れる音楽は、ゆるやかな物語のような流れを作り出してくれます。
ELANでは、名古屋でも有数の「レーザーターンテーブル」という、針ではなく光で音を拾うプレーヤーを導入しています。レコードの溝を物理的な針でなぞるのではなく、レーザーで読み取ることで、盤に負担をかけず、針では拾いきれない細かなニュアンスまで再現できるのが特徴です。これにより、レコードの温かみを保ちつつ、限りなく原音に近いクリアな音をお楽しみいただけます。
レコードの魅力は音質だけではありません。ジャケットのサイズ感、紙の質感、曲順の意味など、すべてが「作品」として作られているため、眺めているだけでも会話が生まれます。実際にELANでも、「このジャケット、懐かしい」「若いころ、このアルバムをよく聴いていて…」といったお客様の思い出話が自然と始まります。
当店では、店内のレコードをリクエストいただくこともできます。「このアーティストは聴いたことがないのですが、今日のコーヒーに合いそうな一枚はありますか?」と尋ねてくださるお客様には、コーヒーの焙煎度やその日の気分に合わせて、1〜2枚ほどご提案しています。レコードの在庫によっては、そのまま販売させていただくことも可能ですので、気になる作品があればお気軽にお声がけください。
ライブ喫茶ELANで体験する「音楽とコーヒーの隠れ家時間」
ライブ喫茶ELANは、名古屋市熱田区外土居町にある、音楽とコーヒーを楽しめる喫茶店です。広く落ち着いた店内には、オーナー自ら設計したライブステージと、こだわりの音響設備が整っています。
ステージにはグランドピアノが常設されており、ピアノならではの豊かな響きを、間近で味わっていただけます。さらに、迫力のある生音を楽しめるアコースティックドラムセットも備えており、ジャズやポップス、クラシックなど、さまざまなジャンルのライブを開催しています。スピーカーにはJBLの名機「model 4344」を採用し、ライブでもレコードでも、力強く厚みのあるサウンドをお届けしています。
こうした音響環境を活かし、ELANはライブ会場としてだけでなく、録音スタジオとしてのご利用も可能です。ボーカルやピアニストの方が、「ライブの雰囲気のまま録音をしたい」といったご相談をくださることも増えてきました。実際に、「お客様の拍手ごと一緒に記録したい」という意図で、公開レコーディングに近い形で行われたライブもあります。
もちろん、ライブのない日は、ゆったりとした喫茶店としてご利用いただけます。午前10時から23時までの営業(定休日:毎週月曜日、第1・第3火曜日)で、時間帯によって店内の雰囲気も変化します。昼間は自然光が差し込む中で、読書やお仕事に集中される方が多く、夜は照明を少し落として、レコードとコーヒーを静かに味わう大人の時間が流れます。
ある日、初めて来店されたお客様が、「ここは外から見ると少し入りづらいけれど、一歩入ったらすごく落ち着きますね」と話してくださいました。まさに「隠れ家」という言葉がぴったりの場所でありたいと考えている私たちにとって、とても嬉しい言葉でした。「音楽とコーヒーを楽しむ隠れ家」として、これからも、お一人お一人のカフェ時間を大切にしていきたいと思っています。
まとめ:自分だけの「カフェ時間」を見つけに
音楽とコーヒーの楽しみ方に、正解はありません。その日の気分や天気、時間帯、そしてご自身の心の状態によって、「心地よい」と感じる音楽は変わっていきます。
- 朝の一杯には ── 軽やかなボサノヴァやピアノ
- 午後の集中タイムには ── 歌のないジャズやアンビエント
- 夜のひとり時間には ── 落ち着いたバラードやクラシック
こうした目安を参考にしながら、ご自宅やお好きなカフェで、少しだけ音楽を意識してみてください。それだけで、いつものコーヒーが「特別な一杯」に変わるはずです。
名古屋・熱田区のライブ喫茶ELANでは、こだわりの音響設備と多彩なレコード、そして心を込めて淹れたコーヒーをご用意して、お客様それぞれの「カフェ時間」をお手伝いしています。「音楽のことは詳しくない」という方も、どうぞ遠慮なくスタッフにお声がけください。お好みのコーヒーや、その日の気分をお伺いしながら、できる限りぴったりの一枚を一緒にお選びいたします。
ふと時間が空いたとき、少し気持ちを整えたいとき、大切な人とゆっくり話したいとき──そんなときは、ぜひ「音楽とコーヒーを楽しむ隠れ家」、ライブ喫茶ELANへお立ち寄りください。レコードが回り、コーヒーの香りが満ちる店内で、あなただけの「カフェ時間」を見つけていただけたら嬉しく思います。
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Cafe & Music ELAN
やわらかな音と、香り高い一杯を。
名古屋市熱田区外土居町9-37
光大井ハイツ1F 高蔵西館102
052-684-1711
営業時間|10:00〜23:00
定休日|月曜・第1&第3火曜日
アクセス|金山総合駅より大津通り南へ徒歩15分
市営バス(栄21)泉楽通四丁目行き「高蔵」下車すぐ
地下鉄名城線「西高蔵」駅より東へ徒歩7分
JR熱田駅より北へ徒歩9分
ゆったりと流れる時間のなかで、
ハンドドリップのコーヒーとグランドピアノの音色がそっと寄り添います
あなたの今日が、少しやさしくなるように。
Live Café ELAN でお待ちしております
