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2025年09月27日

ギターの「カポタスト」の役割とは〜ライブ喫茶ELANで語る音楽の奥深さ〜

こんにちは、ライブ喫茶ELANです。
名古屋にある当店では、往年の名曲を収めたレコードが所狭しと並び、お客様に音楽とコーヒーを心ゆくまで楽しんでいただいています。今日は、多くのお客様から質問をいただく「カポタスト」について、詳しくお話しさせていただきます。

当店では毎日のように、ギターを愛するお客様同士が熱心に音楽談義を繰り広げています。そんな中で必ずと言っていいほど話題に上がるのが、このカポタストという小さな道具です。「名前は聞いたことがあるけれど、実際に何をする道具なのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

カポタストとは何か〜小さな道具の大きな役割〜

カポタストは、ギターのネックに取り付ける小さなクランプのような道具です。「カポ」と略して呼ばれることも多く、イタリア語で「頭」を意味する「capo」と「支柱」を意味する「tasto」を組み合わせた言葉が語源となっています。

この道具の基本的な仕組みは至ってシンプルです。ギターの指板上の任意のフレットに取り付けることで、そのフレットが新たな「ナット」の役割を果たします。ナットとは、ギターのヘッド部分にある弦の支点となる部品のことです。つまり、カポタストを使うことで、ギターの有効弦長を短くし、全体の音程を上げることができるのです。

当店でも実際にお客様にカポタストを手に取っていただく機会が多いのですが、初めて見る方は「こんな小さな道具でそんなに変わるの?」と驚かれます。しかし、実際に音を出してみると、その効果の大きさに皆さん感動されるのです。

例えば、3フレットにカポタストを取り付けると、開放弦で弾いたコードが3半音(短3度)高くなります。これは、ピアノでいうとCメジャーのコードがEフラットメジャーになるということです。このように、簡単な操作で楽曲のキーを変更できるのが、カポタストの最も基本的な機能なのです。

キー変更の魔法〜歌いやすい高さに調整する技術〜

音楽を演奏する上で、キー(調)の選択は非常に重要です。特に弾き語りをする場合、歌い手の声域に合わせてキーを調整する必要があります。当店では、多くのお客様が自分の好きな楽曲を歌いながら演奏されますが、原曲のキーでは高すぎたり低すぎたりすることがよくあります。

先日も、常連のお客様が竹内まりやさんの「不思議なピーチパイ」を演奏されていましたが、原曲のキーでは少し高すぎて歌いにくそうでした。そこでカポタストを使って2フレット分下げて演奏したところ、とても歌いやすくなり、素晴らしい演奏を披露してくださいました。

このように、カポタストを使うことで、難しいコード進行を覚え直すことなく、簡単にキーを変更することができます。例えば、Gメジャーで書かれた楽曲をEメジャーで演奏したい場合、通常であればすべてのコードを移調する必要があります。しかし、カポタストを4フレットに装着すれば、Gメジャーの指使いのまま、実際にはBメジャーの音が出るため、相対的にEメジャーで演奏しているのと同じ効果が得られます。

プロのミュージシャンも、ライブやレコーディングにおいて頻繁にカポタストを使用しています。当店のレコードコレクションの中にも、カポタストを使用して録音されたと思われる楽曲が数多くあります。特にフォークやカントリー、ポップスの分野では、カポタストは欠かせない道具となっているのです。

演奏技術の向上〜初心者から上級者まで活用できる理由〜

カポタストは、ギター演奏のレベルを問わず、幅広い層に愛用されている道具です。初心者の方にとっては、難しいバレーコードを避けて簡単なコード進行で演奏できる大きなメリットがあります。

当店でギターを始めたばかりのお客様によくお話しするのが、「まずはカポタストを使って、開放弦を多用するコードで練習してみてください」ということです。例えば、Key=Eの楽曲を演奏する場合、通常であればFやBなどのバレーコードが必要になりますが、カポタストを4フレットに装着してKey=Cのコード進行で弾けば、C、Am、F、Gといった比較的簡単なコードで演奏することができます。

一方で、上級者の方々にとってもカポタストは重要な道具です。同じコード進行でも、カポタストの位置によって弦のテンション(張り具合)が変わり、音色や響きに微妙な変化が生まれます。これを活用することで、より表現豊かな演奏が可能になるのです。

実際に当店で行われるセッションでも、ベテランのお客様がカポタストの位置を変えながら、楽曲の雰囲気に最も適した音色を探している姿をよく目にします。2フレットに装着した時の明るく軽やかな音色と、7フレットに装着した時の甘く切ない音色では、同じコード進行でも全く違った印象を与えることができるのです。

様々なカポタストの種類〜あなたに最適な一本を見つけよう〜

カポタストには、構造や材質によって様々な種類があります。当店でお客様にご紹介している主なタイプをご説明いたします。

最も一般的なのは「スプリング式カポタスト」です。バネの力で弦を押さえるタイプで、片手で簡単に着脱できるため、演奏中でも素早くポジションを変更することができます。価格も比較的手頃で、初心者の方にもおすすめです。

次に「ネジ式カポタスト」があります。ネジを回すことで締め付ける力を調整できるため、弦への圧力を細かく調整することができます。これにより、弦がビビったり音程がずれたりするトラブルを防ぐことができます。プロのミュージシャンにも愛用者が多いタイプです。

「グライダー式カポタスト」は、レバーを操作することで簡単に着脱できるタイプです。見た目もスタイリッシュで、機能性と美観を両立しています。

素材についても、アルミニウム製、真鍮製、木製など様々な選択肢があります。それぞれ音色に与える影響が異なるため、お好みの音を追求する上級者の方は複数のカポタストを使い分けることもあります。

当店では実際に様々なタイプのカポタストを試していただけますので、ご自分の演奏スタイルや好みに合ったものをお選びください。お客様の中には、「このカポタストに変えてから、演奏がさらに楽しくなった」とおっしゃる方も多いのです。

ライブ喫茶ELANでの音楽体験〜カポタストと共に奏でる至福の時間〜

当店では、往年の名曲を収めたレコードコレクションと共に、実際にギター演奏を楽しんでいただける環境をご提供しています。広々とした落ち着いた店内で、お客様同士が音楽を通じて交流を深めていらっしゃる光景は、私たちにとって何よりの喜びです。

カポタストを使った演奏会も定期的に開催しており、初心者からベテランまで様々なレベルの方々が参加してくださいます。同じ楽曲でも、カポタストの使い方次第で全く違った表情を見せることを、実際に体験していただけます。

コーヒーを片手に、心地よい音楽に包まれながら過ごすひととき。それが当店が目指している「音楽とコーヒーを楽しめる隠れ家」としての空間です。カポタストという小さな道具を通じて、音楽の奥深さや楽しさを再発見していただければと思います。

名古屋にお越しの際は、ぜひ一度ライブ喫茶ELANにお立ち寄りください。音楽を愛する皆様との素敵な出会いを、心よりお待ちしております。ゆったりとしたくつろぎの時間を、私たちと一緒に過ごしませんか。

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Cafe & Music ELAN 

やわらかな音と、香り高い一杯を。

名古屋市熱田区外土居町9-37
光大井ハイツ1F 高蔵西館102
052-684-1711
 営業時間|10:00〜23:00
定休日|月曜・第1&第3火曜日
アクセス|金山総合駅より大津通り南へ徒歩15分
市営バス(栄21)泉楽通四丁目行き「高蔵」下車すぐ
地下鉄名城線「西高蔵」駅より東へ徒歩7分
JR熱田駅より北へ徒歩9分

ゆったりと流れる時間のなかで、
ハンドドリップのコーヒーとグランドピアノの音色がそっと寄り添います

あなたの今日が、少しやさしくなるように。
Live Café ELAN でお待ちしております