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2025年10月26日

名曲「枯葉」はもともとシャンソンだった?音楽とコーヒーを楽しむ隠れ家

はじめに:ELANで過ごす特別な時間

名古屋の街角に佇む当店ライブ喫茶ELANは、音楽とコーヒーを心ゆくまで楽しんでいただける空間です。広々とした店内には、往年の名曲を収めたレコードが所狭しと並び、一歩足を踏み入れると、そこは日常とは異なる特別な時間が流れています。

ジャズの名曲として世界中で愛されている「枯葉」。この曲を耳にしたことがある方は多いでしょう。実は、この「枯葉」はもともとジャズではなく、フランスのシャンソンとして生まれた曲だということをご存知でしょうか。当店でもお客様からよく「この曲、どこかで聞いたことがある」という声をいただきます。

今回は、音楽を愛する皆様に向けて、「枯葉」という名曲の知られざる歴史と、当店ELANで音楽とコーヒーを楽しむ魅力についてお話しさせていただきます。落ち着いた雰囲気の中で、ゆったりとしたくつろぎの時間をお過ごしいただくために、私たちがどのような想いで店づくりをしているのか、そして音楽の持つ力についても触れていきたいと思います。

「枯葉」誕生の物語:シャンソンからジャズスタンダードへ

「枯葉」の原題は「Les Feuilles Mortes(レ・フイユ・モルト)」といい、1945年にフランスで生まれました。作曲はジョゼフ・コズマ、作詞は詩人のジャック・プレヴェールという、フランスを代表する芸術家たちによって作られた曲です。

もともとこの曲は、バレエ作品「ランデヴー」のために作曲されました。しかし、映画「夜の門(Les Portes de la Nuit)」で使用されたことで広く知られるようになります。フランスの名歌手イヴ・モンタンが歌ったバージョンは、シャンソンの名曲として人々の心を捉えました。

当店でレコードをかけていると、お客様から「この曲の歌詞はどんな内容なんですか」と尋ねられることがあります。フランス語の原詞は、秋の枯葉が風に舞う様子を、過ぎ去った恋の思い出に重ねた、切なく美しい内容です。「枯葉を集める音が聞こえる」という冒頭から始まり、愛する人との思い出と別れを詩的に綴っています。

この曲が世界的なスタンダードナンバーになったのは、1950年にアメリカのジャズピアニスト、ビル・エヴァンスをはじめとする多くのジャズミュージシャンたちが演奏したからです。英語版のタイトルは「Autumn Leaves」。マイルス・デイヴィス、チェット・ベイカー、キャノンボール・アダレイなど、錚々たるジャズの巨匠たちがこの曲を取り上げ、それぞれの解釈で演奏しました。

シャンソンとジャズ、二つの顔を持つ名曲

「枯葉」の魅力は、シャンソンとジャズという二つの異なる音楽ジャンルで愛されているところにあります。当店でも、フランスのシャンソン歌手が歌うバージョンと、アメリカのジャズミュージシャンが演奏するバージョンの両方を所蔵しており、日によって異なる雰囲気を楽しんでいただいています。

シャンソンとして歌われる「枯葉」は、言葉の一つ一つに込められた感情が前面に出ます。フランス語特有の響きと、歌い手の表現力によって、聴く人の心に深く染み入る歌になっています。イヴ・モンタンの歌声には、人生の哀愁と洗練された大人の雰囲気があり、まさにパリのカフェで聴くような趣があります。

一方、ジャズとして演奏される「枯葉」は、メロディーラインを基にした即興演奏が特徴です。同じ曲でも演奏者によってまったく異なる表情を見せるのがジャズの面白さ。ピアノトリオで演奏されるしっとりとしたバージョンもあれば、ビッグバンドで演奏される華やかなバージョンもあります。

当店のお客様の中には、「最初にジャズで知って、後からシャンソンが原曲だと知って驚いた」という方が少なくありません。ある常連のお客様は、「両方聴き比べると、同じ曲なのに別の曲みたいに感じる」とおっしゃっていました。まさにその通りで、音楽の解釈の多様性を感じられるのが「枯葉」という曲の素晴らしさなのです。

ライブ喫茶ELANのこだわり:音楽とコーヒーの調和

当店ELANは、音楽とコーヒーの両方を最高の状態で楽しんでいただくことを大切にしています。広く落ち着いた雰囲気の店内は、音響にもこだわった設計になっており、レコードから流れる音楽が心地よく響き渡ります。

レコードの魅力は、デジタル音源にはない温かみのある音質です。針がレコード盤の溝をなぞる時に生まれるアナログならではの音は、聴く人の心を和ませてくれます。当店では、クラシックからジャズ、シャンソン、ボサノヴァまで、幅広いジャンルのレコードを取り揃えています。

コーヒーについても妥協はしません。厳選した豆を使用し、一杯一杯丁寧に淹れています。音楽を聴きながらゆっくりとコーヒーを味わう時間は、日常の慌ただしさを忘れさせてくれる特別なひとときです。

店内に並ぶレコードコレクションは、長年かけて集めたものばかり。お客様が「この曲聴きたい」とリクエストされることもあり、所蔵しているレコードの中から選んでおかけすることもあります。そんな対話も、当店ならではの楽しみの一つです。

音楽がもたらす癒しの時間

音楽には不思議な力があります。特に、良質なレコードから流れる音楽は、聴く人の心に深く届き、日々のストレスを和らげてくれます。当店を訪れるお客様の中には、「仕事帰りに立ち寄って、音楽を聴きながらコーヒーを飲むと、心が落ち着く」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

ある日、一人のお客様がこんなことをおっしゃいました。「枯葉が流れていて、ふと学生時代のことを思い出しました。あの頃よく聴いていた曲で、懐かしくて涙が出そうになりました」。音楽は記憶と深く結びついており、一曲の音楽が過去の大切な思い出を呼び起こすことがあります。

当店では、時間帯によって流す音楽を変えています。午後の静かな時間帯には、ゆったりとしたジャズやボサノヴァを。夕方から夜にかけては、少し情感豊かなシャンソンやバラードを。お客様それぞれが、自分のペースでくつろいでいただけるよう心がけています。

また、音楽は人と人をつなぐ役割も果たします。隣の席の方と「この曲いいですね」という会話から始まり、音楽談義に花が咲くこともしばしば。音楽という共通の話題が、初対面の方同士の距離を縮めてくれるのです。

レコードの魅力と往年の名曲たち

当店に所狭しと並ぶレコードたちは、それぞれが時代の記憶を刻んでいます。レコードジャケットのデザインも味わい深く、眺めているだけでも楽しめます。特に1950年代から1970年代にかけてのジャズやシャンソンのレコードは、芸術作品のような美しいジャケットが多いのです。

「枯葉」以外にも、当店では様々な名曲をご用意しています。エディット・ピアフの「愛の讃歌」、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」、ナット・キング・コールの「L-O-V-E」など、時代を超えて愛される曲ばかりです。

レコードを聴く体験は、音楽ストリーミングサービスとは違った魅力があります。A面を聴き終わったらレコードを裏返してB面を聴く。その一連の動作も含めて、音楽を聴くという行為になります。じっくりと向き合って音楽を聴く時間は、現代において贅沢なものになっているのかもしれません。

常連のお客様の中には、「このレコードの音、前より良くなってませんか」と気づかれる方もいらっしゃいます。実は、レコード針やカートリッジのメンテナンスは定期的に行っており、いつでも最高の音質でお楽しみいただけるよう努めています。

ELANで過ごす特別なひととき

当店を訪れるお客様は、本当に様々です。仕事の合間に立ち寄るビジネスパーソン、音楽好きの学生さん、休日にゆっくり過ごしたいご夫婦、一人で静かに本を読みながら音楽を聴く方など、それぞれのスタイルで時間を過ごされています。

店内の雰囲気づくりには特に気を配っています。照明は柔らかく、席と席の間隔も広めに取っているため、隣を気にせずリラックスしていただけます。窓際の席からは外の景色を眺めながら音楽を聴くことができ、季節の移り変わりも感じられます。

ある常連のお客様は、毎週決まった曜日の同じ時間に来店され、同じ席でコーヒーを飲みながら音楽に耳を傾けられます。その方にとって、当店での時間は週に一度の大切な習慣になっているのだそうです。「ここに来ると、自分を取り戻せる」というお言葉をいただいた時は、店主として本当に嬉しく思いました。

また、初めて来店される方も安心してお過ごしいただけるよう、スタッフ一同心がけています。メニューの説明や、その日におすすめの音楽についてもお気軽にお尋ねください。音楽についての知識がなくても全く問題ありません。ただ心地よい音楽を聴きながら、美味しいコーヒーを楽しんでいただければ幸いです。

音楽とコーヒーがある豊かな生活

現代社会は情報があふれ、常に何かに追われているような感覚があります。そんな中で、立ち止まって音楽に耳を傾け、一杯のコーヒーをゆっくり味わう時間は、心の栄養になります。当店ELANは、そんな時間を提供できる場所でありたいと願っています。

「枯葉」という一曲が、シャンソンとして生まれ、ジャズスタンダードとして世界中で愛されるようになった物語は、音楽の持つ普遍的な力を示しています。言語や文化を超えて、人々の心に響く何かがある。それが音楽の素晴らしさです。

当店では、これからも良質な音楽とコーヒーを提供し続けていきます。往年の名曲を収めたレコードコレクションは今後も充実させていく予定です。音楽好きの方はもちろん、「最近疲れているな」と感じている方、「ちょっと落ち着ける場所が欲しい」と思っている方、どなたでも歓迎いたします。

季節ごとに店内の雰囲気も少しずつ変化させています。秋には「枯葉」をはじめとする、秋にふさわしい曲を多めにかけたり、冬にはジャズのクリスマスアルバムを流したり。音楽と季節を感じながら、コーヒーを楽しむ。そんなささやかな贅沢を、ぜひ当店で体験していただきたいと思います。

まとめ:名古屋の隠れ家で音楽とコーヒーを

「枯葉」がもともとシャンソンだったという事実は、意外に知られていません。しかし、その誕生の物語を知ると、この名曲への愛着がさらに深まります。一つの曲が形を変えながら、時代を超えて愛され続ける。それは音楽が持つ魔法のような力です。

名古屋のライブ喫茶ELANは、そんな音楽の魔法を感じられる場所です。広く落ち着いた店内で、往年の名曲を収めたレコードから流れる音楽に耳を傾けながら、丁寧に淹れたコーヒーを味わう。日常から少し離れた、特別な時間がそこにあります。

お一人でも、お友達とご一緒でも、ぜひお気軽にお越しください。音楽とコーヒーを楽しみながら、ゆったりとしたくつろぎの時間をお過ごしいただけます。皆様のご来店を、心よりお待ちしております。

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Cafe & Music ELAN 

やわらかな音と、香り高い一杯を。

名古屋市熱田区外土居町9-37
光大井ハイツ1F 高蔵西館102
052-684-1711
 営業時間|10:00〜23:00
定休日|月曜・第1&第3火曜日
アクセス|金山総合駅より大津通り南へ徒歩15分
市営バス(栄21)泉楽通四丁目行き「高蔵」下車すぐ
地下鉄名城線「西高蔵」駅より東へ徒歩7分
JR熱田駅より北へ徒歩9分

ゆったりと流れる時間のなかで、
ハンドドリップのコーヒーとグランドピアノの音色がそっと寄り添います

あなたの今日が、少しやさしくなるように。
Live Café ELAN でお待ちしております