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2026年01月23日

昭和歌謡ブームはなぜ今、再び起きているのか|名古屋・熱田区のライブ喫茶ELANが考える理由

昭和歌謡が再ブームになっている背景には、単なる「懐かしさ」だけではなく、現代の暮らしや価値観と不思議な相性の良さがあります。名古屋・熱田区のライブ喫茶ELANとして、日々お客様と接しているお店目線で、その理由をじっくりひもといていきます。


昭和歌謡ブームはなぜ今、再び起きているのか

昭和歌謡の再ブームは、実は「昭和世代」だけで起きている現象ではありません。平成生まれ、さらには令和世代のお客様からも「昭和の曲って、なんだか落ち着きますね」「歌詞がまっすぐで刺さります」といった声をいただきます。

昭和歌謡の再ブームの背景には、次のような要素が重なっています。

  • 日常がデジタル化しすぎた反動としての「アナログ回帰」
  • 不安定な時代だからこそ求められる「分かりやすいメロディ」と「まっすぐな歌詞」
  • サブスクや動画サイトを通じた”偶然の出会い”による若い世代への広まり

たとえば、ある常連のお客様(20代後半・女性)は、最初は「シティポップ」のプレイリストから昔の曲を聴き始め、そこから昭和の歌謡曲にどんどんハマっていったそうです。「曲の最初の一音で世界観に連れていってくれる感じが、今の曲とちょっと違う」と話してくださったのが印象的でした。

ELANの店内では、レーザーターンテーブルを使ってレコードを再生していますが、昭和歌謡をレコードで聴くと「音のざらつき」や「息づかい」がより感じられます。その生々しさが、歌の世界観を一層リアルにしてくれるのかもしれません。


「懐かしさ」だけじゃない、昭和歌謡の音楽的な魅力

昭和歌謡というと、「古い」「親世代の音楽」というイメージを持たれる方も少なくありません。ですが、音楽的に見ていくと、現代ポップスにはあまり見られない工夫や魅力がたくさん詰まっています。

1. 覚えやすいメロディと”口ずさみたさ”

昭和歌謡の多くは、難しいリズムや極端な転調よりも、「誰でもすぐ口ずさめるメロディ」が大切にされています。メロディラインが滑らかで、音域も極端に広くない曲が多いため、初めて聴いたお客様でも2番まで来る頃には一緒に口ずさんでいることがあります。

実際、ELANの店内でも、たとえばバラード系の昭和歌謡を流していると、コーヒーを飲みながら思わず小さな声で歌い出すお客様がいらっしゃいます。その様子を見ると、「この曲は時代を超えて人の口に残る力があるのだな」と感じます。

2. 歌詞が”情景”として浮かぶ

昭和歌謡のもう一つの特徴は、歌詞の描写がとても具体的で、情景がまるで映画のワンシーンのように浮かぶことです。街灯、駅のホーム、薄いコート、にじむネオン…。言葉の一つ一つが、聴き手の頭の中に風景を描いていきます。

ある日、40代のお客様が、若い頃に親がよく流していた昭和歌謡の1曲をリクエストされました。レーザーターンテーブルでレコードをかけると、その方はしばらく窓の外を見つめながら、ふと「この歌を聴くと、学生の頃の通学路の匂いまで思い出すんですよね」と一言。昭和歌謡が持つ”情景喚起力”は、ただ懐かしいだけではなく、個人の記憶と深く結びついているのだと感じさせられる瞬間です。

3. シンプルだけど味わい深いアレンジ

現在のポップスは、デジタル機器を駆使した緻密なアレンジが多い一方で、昭和歌謡の多くは「バンド+オーケストラ」や「生楽器中心」のアレンジが主流でした。ギター、ベース、ドラム、ピアノ、ストリングス、ホーンセクション。楽器の数は決して少なくありませんが、それぞれがシンプルなフレーズを担いながら、全体として豊かなハーモニーを生み出しています。

ELANのステージにはグランドピアノやアコースティックドラムセットが常設されており、生演奏で昭和歌謡をカバーするライブも行っています。レコードで聴いていた曲を、生のピアノとドラムで聴くと、「この曲ってこんなにグルーヴ感があったんだ」と驚かれるお客様も多いです。


デジタル世代が昭和歌謡に惹かれる理由

スマホやサブスク、SNSが当たり前の世代が、なぜ昭和歌謡に惹かれるのでしょうか。ELANに来られる若いお客様のお話や、日々の店内の様子から、いくつか理由を感じています。

1. “アルゴリズム”からこぼれ落ちる人間味

今の音楽の聴き方は、プレイリストやレコメンド機能が中心になっています。「あなたにおすすめ」と表示される曲をタップしていくだけで、次々と新しい音楽に出会える便利な時代です。その一方で、「どの曲も似たように聞こえてきた」「BGMとして流れてしまい、心に残りにくい」と感じる方も増えています。

昭和歌謡の多くは、良い意味で”クセ”が強く、歌い方もアレンジも個性的です。メリハリのあるビブラート、大きな抑揚、時にはしゃくり上げるような歌い回し。そうした「人間の癖」が色濃く出ている歌は、アルゴリズムが並べた無数の曲の中でも、強く印象に残ります。

ある大学生のお客様は、「サブスクでなんとなく聴いていたときは流し聴きだったんですが、ELANでレコードでかかったら、同じ曲なのに急に『うわ、声が刺さる』って感じたんです」と話してくださいました。音の情報量が多く、歌い手の息づかいまで伝わることで、画面越しでは味わえない”生々しさ”が立ち上がるのだと思います。

2. 「時間をかけて味わう」体験への憧れ

デジタル世代のライフスタイルは、どうしても「速さ」と「効率」が優先されがちです。倍速視聴、ショート動画、スキップ機能…。そんな日常の中で、「1曲を頭から最後までじっくり聴く」という行為そのものが、逆に新鮮な体験になっています。

レコードは、1曲だけをピンポイントで聴くよりも、「A面を通して」「B面を通して」楽しむメディアです。曲と曲の間の無音も含めて、その時間すべてが一つの体験として設計されています。ELANでも、お客様が「あ、この曲知ってる!」と言いながら、次の曲がかかっても席を立たずにそのまま聴き続ける、という光景がよく見られます。

ある日、スマホをテーブルに伏せて置いたまま、1時間以上じっとレコードを聴いている若いお客様がいらっしゃいました。帰り際に「今日は久しぶりに”時間が止まる”感じがしました」とおっしゃっていて、昭和歌謡とレコードが、忙しい日常から少し離れるスイッチになっていることを実感しました。


昭和歌謡とレコード、喫茶店という”場”の相性

昭和歌謡の魅力を語る上で欠かせないのが、「どこで、どのように聴くか」という環境です。同じ曲でも、スマホのスピーカーで聴くのと、喫茶店の音響設備を通して聴くのとでは、体験がまったく違います。

1. レーザーターンテーブルで蘇る”原音に近い”昭和歌謡

ELANでは、名古屋でも有数の高音質再生機材である「レーザーターンテーブル」を導入しています。レーザーターンテーブルとは、レコードの溝を”針”ではなく”光”で読み取るプレーヤーのことで、物理的な摩耗を抑え、より原音に近い再生ができるのが特徴です。

一般的なレコードプレーヤーでは、針が溝をなぞることでどうしてもノイズや劣化が避けられませんが、レーザーターンテーブルではそうした影響が最小限に抑えられます。その結果、昭和当時に録音された歌声や演奏が、驚くほどクリアに立ち上がってきます。

常連のお客様の中には、「子どもの頃に親がかけていた同じレコードなのに、こんなに音がきれいだったんだとびっくりしました」と感想をくださる方もいます。昭和歌謡の魅力は、メロディや歌詞だけでなく、録音当時の空気感やスタジオの響きまで含めてのもの。その”空気ごと”味わえるのが、レーザーターンテーブルで聴く昭和歌謡の醍醐味です。

2. JBLスピーカーと店内空間が生む”包まれる音”

ELAN店内には、JBLの名機「model 4344」を導入しています。このスピーカーは、スタジオモニターとしても評価されるほど解像度が高く、低音から高音までバランスよく鳴らすことができます。昭和歌謡を再生すると、ベースラインのうねりやストリングスの厚み、ボーカルの艶やかさまでしっかりと感じられます。

また、オーナー自らが設計した店内の音響は、「どの席に座っても聴き疲れしない」ことを大切にしています。壁の素材やスピーカーの角度、ステージの位置などを調整し、音が一点に集中しすぎず、空間全体にふわりと広がるような環境を作っています。

あるお客様は、「ここで聴くと、昔のテレビの歌番組が、自分専用の小さなホールで再演されている感じがします」と表現してくださいました。喫茶店という比較的コンパクトな空間で、上質な音が全身を包む体験は、自宅やイヤホンではなかなか再現できないものです。

3. コーヒーの香りと”時間の流れ”

昭和歌謡とコーヒーの相性も、喫茶店ならではの魅力です。ELANでは、レコードの音に負けないよう、コーヒーの香りと味にもこだわっています。豆の焙煎度や抽出方法を調整し、「音楽を聴きながらゆっくり味わえる一杯」を目指しています。

昭和歌謡が流れる中、ゆっくりと立ち上るコーヒーの湯気を眺めながらカップを口に運ぶと、時間の流れ方が少し変わったように感じられます。スマホの通知から少し離れて、「音」と「香り」に集中する時間は、どこか昭和の喫茶店文化にも通じる、贅沢で静かなひとときです。


ELANで楽しむ昭和歌謡のおすすめの過ごし方

最後に、名古屋・熱田区のライブ喫茶ELANで、昭和歌謡をより深く楽しんでいただくためのおすすめの過ごし方をご紹介します。

1. まずは”なんとなく懐かしそう”で選んでみる

昭和歌謡にあまり詳しくない方は、最初から名曲一覧を制覇しようとしなくて大丈夫です。

  • ジャケットの雰囲気
  • タイトルの言葉の響き
  • なんとなく気になる色合い

こうした”直感”でレコードを選んでみてください。ELANでは、店内にあるレコードの中からお客様のリクエストをお受けし、レーザーターンテーブルで再生いたします。

「タイトルだけは知っている」「親がカラオケで歌っていた気がする」そんな曖昧な記憶から始まる出会いも、昭和歌謡の楽しみ方の一つです。

2. 思い出と一緒に曲を楽しむ

昭和歌謡は、個人の記憶と結びついていることが多い音楽です。もし、特定の曲にまつわる思い出があれば、ぜひそのエピソードも一緒に教えてください。たとえば:

  • 「初めて買ったレコードがこの曲でした」
  • 「親がいつも車で流していた曲なんです」
  • 「学生時代の文化祭で歌いました」

オーナーやスタッフも音楽の話をするのが大好きですので、会話の中から「それなら、この曲も好きかもしれませんよ」といった形で、新しい1曲をご提案することもあります。こうした”会話”を通じて広がっていく選曲は、昭和歌謡と喫茶店ならではの体験だと感じています。

3. ライブやセッションで”生の昭和歌謡”に触れる

ELANは「ライブ喫茶」として、店内ステージを使ったライブやセッションも行っています。昭和歌謡をテーマにしたライブでは、プロ・アマ問わずさまざまな演奏者が参加し、名曲の数々を生演奏で楽しむことができます。

生演奏の昭和歌謡には、レコードともまた違った魅力があります。歌い手の息づかい、演奏者同士のアイコンタクト、間奏のアドリブ…。同じ曲でも、その夜にしか生まれない”揺らぎ”や”温度”を感じていただけます。

過去には、お客様がステージに上がり、思い出の昭和歌謡を1曲だけ歌われたこともありました。歌い終わったあと、「この曲をこうやって歌える場所があるのは本当にありがたいです」と涙ぐまれていたのが忘れられません。昭和歌謡は、ただ聴くだけでなく、「歌う」「演奏する」ことで、さらに深く自分の中に根づいていく音楽なのだと思います。


昭和歌謡の”歌い方”と感情表現の奥深さ

昭和歌謡の魅力を語るうえで欠かせないのが、「歌い方」の豊かさです。同じメロディでも、歌い手によってまったく違う物語が立ち上がるほど、感情表現の幅が広いジャンルでもあります。

1. ビブラートや”こぶし”が生む、人間らしい揺らぎ

昭和歌謡では、声を震わせる「ビブラート」や、音程を細かく上下させる「こぶし」といった歌唱技法がよく使われます。これらは単なるテクニックではなく、歌詞に込められた感情を増幅させる役割を担っています。

たとえば、別れの歌でサビの最後にビブラートを強くかけると、「言葉にはできない未練」や「揺れる心」が声そのものから伝わってきます。現代のポップスでは、ピッチ補正ソフトによって音程がきれいに整えられることが多い一方で、昭和歌謡の録音には、そうした”生の揺らぎ”がそのまま残っています。

ELANでレコードをかけていると、「CDや配信で聴くより、声の震えがはっきり分かりますね」とおっしゃるお客様も多いです。レーザーターンテーブルと高解像度のスピーカーによって、歌い手の微妙なニュアンスまで感じ取れるのは、昭和歌謡ファンにとってたまらないポイントです。

2. マイクと空気感が作る”距離の近さ”

昭和の録音では、マイクの種類や置き方も現代とは異なり、歌い手とリスナーの”距離感”が独特です。少しオフマイク気味で歌っている曲では、まるで少し離れたステージから聴こえてくるような雰囲気があり、逆にマイクをかなり近づけた録音では、耳元でそっと語りかけられているような錯覚を覚えます。

ELANの店内で照明を少し落とし、バラード調の昭和歌謡を流すと、空間全体が一瞬で”物語の舞台”に変わります。静かな夜、お一人でカウンターに座りながら、そんな曲に耳を傾けているお客様の背中からは、「今日はこの歌に会いに来られたのだな」と感じることも少なくありません。


これから昭和歌謡を楽しみたい方へ

「昭和歌謡に興味はあるけれど、どこから聴けばいいか分からない」という方に向けて、ELANからいくつかの楽しみ方のヒントをお伝えします。

  • 好きな現代アーティストがカバーしている昭和の曲を、オリジナルで聴き比べてみる
  • ドラマや映画で使われて印象に残った昭和歌謡を、レコードでじっくり聴き直してみる
  • 親や祖父母に「一番好きだった歌」を聞いて、その曲をELANで一緒に聴いてみる

こうした小さなきっかけから、昭和歌謡の世界はどんどん広がっていきます。ELANは、その入口としても、深く味わう場としても、皆さまのお役に立てればうれしく思います。


名古屋・熱田区で昭和歌謡とコーヒーを楽しむなら

ライブ喫茶ELANは、名古屋市熱田区外土居町にある、音楽とコーヒーを楽しむための小さな”隠れ家”です。広く落ち着いた店内には、往年の名曲を収めたレコードが所狭しと並び、こだわりの音響設備とステージで、昭和歌謡をはじめとしたさまざまな音楽をお楽しみいただけます。

店舗情報

  • 所在地:名古屋市熱田区外土居町9-37 光大井ハイツ1F 高蔵西館102
  • 営業時間:10:00〜23:00
  • 定休日:毎週月曜日、第1・第3火曜日
  • 電話番号:052-684-1711

昭和歌謡が初めての方も、懐かしさを味わいたい方も、「なんとなく落ち着ける音楽が聴きたい」という方も、どうぞ気軽に扉を開けてみてください。レーザーターンテーブルとJBLスピーカーから流れる音楽と、香り高いコーヒーをご用意して、皆さまのお越しをお待ちしております。

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Cafe & Music ELAN 

やわらかな音と、香り高い一杯を。

名古屋市熱田区外土居町9-37
光大井ハイツ1F 高蔵西館102
052-684-1711
 営業時間|10:00〜23:00
定休日|月曜・第1&第3火曜日
アクセス|金山総合駅より大津通り南へ徒歩15分
市営バス(栄21)泉楽通四丁目行き「高蔵」下車すぐ
地下鉄名城線「西高蔵」駅より東へ徒歩7分
JR熱田駅より北へ徒歩9分

ゆったりと流れる時間のなかで、
ハンドドリップのコーヒーとグランドピアノの音色がそっと寄り添います

あなたの今日が、少しやさしくなるように。
Live Café ELAN でお待ちしております