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2026年01月19日
ピアノの調律とは?ライブ喫茶ELANのグランドピアノと音づくり
ピアノの調律は、「鍵盤を押したときに出る音の高さ・響き・バランスを整えて、楽器としてベストな状態に戻す作業」のことです。
単純にネジを回して”音程を合わせるだけ”ではなく、ピアノ全体のコンディションをチェックしながら、演奏者にとって気持ちよく響く音を作っていく、かなり繊細なメンテナンスでもあります。
ライブ喫茶ELANのグランドピアノと「調律」の関係
名古屋・熱田区のライブ喫茶ELANの店内には、グランドピアノがあります。お店としても、ジャズやポップス、クラシックの生演奏を楽しんでいただくために、このピアノの調律はとても大切な”裏方の仕事”になっています。
たとえば、
- 夜のジャズセッションでピアノだけ音程が少し低い
- レコードと一緒に弾いてみたら、半音ずれている気がする
こうした違和感の多くは、ピアノの調律が崩れているサインです。
ELANでは、
- ライブやセッションが続く時期
- 季節の変わり目で湿度が大きく変化する時期
には、特にピアノの状態を気にかけるようにしています。
「お客さまが店内のJBLスピーカーやレーザーターンテーブルの音に耳を傾けたあと、そのまま生ピアノの一音を聴いたときに違和感がないこと」。それが、ライブ喫茶としての”音の筋”を通すことだと考えています。
調律でいちばん大事な「音程を合わせる」という仕事
まず、調律の一番ベースになるのが「音程(ピッチ)を合わせる」作業です。ピアノの1本1本の弦の張り具合を調整し、「ドはド、ミはミと、正しい高さで鳴るように整えていく」ことを指します。
弦を回して音を揃える
ピアノの中には、細い金属の弦がたくさん張られています。その弦の端に付いている「チューニングピン」という金属の棒を、専用の工具(チューニングハンマー)で少しずつ回し、弦の張力を変えて音程を調整します。
- ピンをほんの少し締める → 弦の張りが強くなり、音が高くなる
- ピンをほんの少し緩める → 張りが弱まり、音が低くなる
この誤差は、耳で聴くと「わずかに気持ち悪い」「何となくにごる」といった感覚として現れます。とくにジャズのコード(和音)は複数の音を同時に鳴らしますから、どれか1音でもずれていると、全体がモヤっとして聴こえてしまいます。
実際の調律の流れ(ざっくり)
初心者の方にもイメージしていただきやすいように、典型的な流れを簡単にまとめると、次のようになります。
- 「基準の音」を決める
一般には「ラ(A)」の音を440Hzなどに合わせ、ここを基準に他の音を作っていきます。 - オクターブや5度など、特定の間隔を揃える
「ドとド」「ドとソ」のように、音程の関係を聴きながら少しずつ音を合わせます。 - 鍵盤全体(88鍵)の音程を整えていく
真ん中のあたりから、低音・高音側へと範囲を広げるように調整していきます。
お店の現場感でいうと、開店前に調律師さんが入ってくださり、ひととおり音程が揃った状態のピアノに、マスターが試しに「いつものコード」をいくつか弾きます。「うん、今日も気持ちよく鳴ってくれてるな」と感じたとき、その日のセッションやライブの準備が、音の面でひとつ整ったことになります。
調律は「音色」や「タッチ」も整えるメンテナンス
「調律」という言葉からは、どうしても”音程だけを合わせる作業”というイメージを持たれがちです。しかし実際には、音の高さだけでなく、「音色」や「鍵盤の触り心地(タッチ)」の調整もセットで行われることが多いです。
整調(せいちょう)と整音(せいおん)って?
専門用語になりますが、よく出てくる言葉を2つだけ紹介します。
- 整調(せいちょう)
→ 鍵盤の高さや深さ、ペダルの効き具合、ハンマーの動きなど”機械的な動き”を整える作業のことです。 - 整音(せいおん)
→ フェルト製のハンマーの硬さや形を調整して、”音の性格”を整える作業のことです。
たとえば、ジャズのライブが多いお店だと、
- 少しアタックが強く、輪郭がはっきりした音
- バッキングのコードワークが抜けて聴こえる音
を好まれるピアニストの方も多くいらっしゃいます。
一方で、バラードやシンガーソングライター系の弾き語りが多い夜には、「もう少し柔らかくて、包み込むような響きがいいな」と感じることもあります。
調律師さんは、こうしたニュアンスを会話の中で汲み取りながら、ハンマーのフェルトを少し削ったり、針を刺して柔らかくしたりして、音の表情を整えていきます。
ELANでのエピソード
ある日のセッションで、常連のピアニストさんがこんなことを言っていました。
「今日、なんだかいつもよりピアノが”歌ってくれる”感じがしますね」
その日は、直前に整音を入れてもらった日でした。高音域のカンカンした硬さを少し抑え、中音域の厚みが出るように調整してもらったことで、バラードのメロディラインがやさしく前に出てきたのです。
お客さま側からは「何かいつもと違う?」くらいの、ほんのささいな変化かもしれません。それでも、演奏者が気持ちよく弾けるかどうかは、1音1音の響きやタッチの違いで大きく変わってきます。
どうしてピアノはすぐに音が狂うの?
「そんなに頻繁に調律って必要なの?」と驚かれる方も多いです。ピアノはとても頑丈そうに見えますが、実はとても繊細な楽器で、いくつかの理由から音が少しずつ狂っていきます。
温度・湿度にとても敏感
ピアノの内部には、木材やフェルト、金属など、さまざまな素材が使われています。とくに木の部分は、湿度が上がると膨らみ、下がると縮む性質があります。
名古屋のように、
- 夏は高温多湿
- 冬は乾燥しがち
という地域では、この湿度差がピアノのコンディションに大きく影響します。
木が膨らんだり縮んだりすると、そこに固定されている弦の張力もわずかに変化し、結果として音程がズレていきます。
演奏すればするほど変化する
もうひとつの理由は、「弾けば弾くほど、少しずつ状態が変化していく」という点です。
- 強く連打される音域のハンマーが、少しずつ硬くなっていく
- 弦がわずかに伸びて、最初に合わせた音程から少しずつズレる
- ペダル周りの部品が消耗して、効き具合が変わる
ELANのように、生演奏の機会が多いお店では、ピアノにも”働き者ならではの疲れ”が出てきます。表からは見えませんが、調律はその疲れをこまめにほぐしてあげる「整体」のような役割も果たしているのです。
調律のタイミングと頻度の目安
「どのくらいのペースで調律するのが良いの?」という疑問は、とてもよくいただきます。これは、ピアノの使用頻度や設置環境によっても変わりますが、お店の感覚も含めて、ひとつの目安をお伝えします。
一般的な目安
- ご家庭のアップライトピアノ
→ 年に1回〜2回の調律がよく推奨されます。 - レッスン用・スタジオ・ライブ喫茶のピアノ
→ 年に2回〜数回、もしくはイベント前にこまめに入れることが多いです。
ELANのように、
- セッションデーがある
- レコーディングやリハーサルで使われる
といったシーンが多いときには、「音が気になってきたらすぐ相談」というスタイルを取ることもあります。
「音の違和感」がサイン
お店目線で、調律のタイミングを判断するポイントは次のようなものです。
- 中心付近の音が、他の楽器と比べてほんの少し低く聴こえる
- コードを弾いたときに、濁りがいつもより強い
- 高音がキンキンしすぎたり、逆に抜けが悪く感じる
たとえば、店内のレーザーターンテーブルでレコードを流し、その音にあわせてピアノを軽く弾いてみます。もし「レコードの方が明らかにきれいで、ピアノが何となくくもって聴こえるな」と感じたら、「そろそろ調律師さんを呼ぶサインかな」と考えます。
初心者の方に伝えたい「調律の面白さ」
ピアノの調律というと、どこか職人だけの世界のように感じるかもしれません。でも、少しだけ視点を変えると、とても身近で、ちょっとワクワクする世界でもあります。
「耳を育てる」きっかけになる
たとえば、調律が終わった直後のピアノと、数か月経ったピアノを聴き比べてみると、
- 和音がスッと溶け合う感じ
- 単音の伸びやかさ
が、じわっと違って聴こえることがあります。
最初は「なんとなく違う気がする」程度でも構いません。その「なんとなく」を少しずつ言葉にしていくと、音を聴く耳が自然と鍛えられていきます。
ELANでは、
- 「今日はさっき調律が入ったばかりなんですよ」
- 「前回のセッションから少し経ったので、音の変化も感じてみてくださいね」
といった形で、お客さまと調律の話をすることもあります。
音楽を聴くだけでなく、「音そのものの変化」にも興味を持っていただけたら、ライブ喫茶としても嬉しいかぎりです。
会話のきっかけにもなる
実際、カウンターでコーヒーを飲んでいるお客さま同士が、
「今日のピアノ、いつもより柔らかくないですか?」
「やっぱりそう感じます? さっき調整入ったみたいですよ」
といった会話をされていることがあります。
ピアノの調律は、
- 演奏者のためだけでなく
- 聴き手同士が音の話を楽しむためのきっかけ
にもなってくれる存在です。
ライブ喫茶ELANで「調律後の生音」を体験してみませんか
名古屋・熱田区のライブ喫茶ELANは、
- レコードをレーザーターンテーブルで再生する上質な音
- JBLのスピーカーから広がる迫力のサウンド
- そして、調律で整えられたグランドピアノの生音
を、コーヒーとともに楽しんでいただける場所です。
「ピアノの調律って何をしているの?」と感じた方こそ、ぜひ一度、
- レコードの音
- スピーカーの音
- 生ピアノの音
この”3つの音の世界”を聴き比べてみてください。
きっと、「同じ曲なのに、媒体や調整によってこんなに表情が変わるんだ」という発見があるはずです。
演奏する方はもちろん、聴くだけの方も大歓迎です。ELANの店内で、音楽とコーヒーをゆっくり味わいながら、”調律されたピアノの響き”に耳を傾けてみてください。
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Cafe & Music ELAN
やわらかな音と、香り高い一杯を。
名古屋市熱田区外土居町9-37
光大井ハイツ1F 高蔵西館102
052-684-1711
営業時間|10:00〜23:00
定休日|月曜・第1&第3火曜日
アクセス|金山総合駅より大津通り南へ徒歩15分
市営バス(栄21)泉楽通四丁目行き「高蔵」下車すぐ
地下鉄名城線「西高蔵」駅より東へ徒歩7分
JR熱田駅より北へ徒歩9分
ゆったりと流れる時間のなかで、
ハンドドリップのコーヒーとグランドピアノの音色がそっと寄り添います
あなたの今日が、少しやさしくなるように。
Live Café ELAN でお待ちしております
