名古屋市熱田区にあるライブ喫茶ELANは、ただのコーヒーショップではありません。
私たちは「音楽とコーヒーを楽しむ隠れ家」として、お客様に特別な時間をお過ごしいただくことを使命としています。広く落ち着いた店内で、オーナーが厳選したレコードに耳を傾けながら、心からリラックスできる空間。それがELANです。
しかし、理想の音楽空間を作るには、設備への徹底したこだわりが必要でした。特に重要だったのが、音の最終的な出口となるスピーカー選び。数多くの選択肢の中から、私たちが選んだのはJBLの名機「model4344」でした。
今日は、なぜこのスピーカーを選んだのか。そこに込められた私たちの想いと、ELANが目指す音楽体験について、詳しくお話しします。
ELANが追求する「最高の音質」への道のり
音楽への情熱が生んだこだわり
ELANの音響システムは、単なる設備投資ではありません。お客様に「本物の音楽体験」をお届けしたいという、私たちの強い想いから生まれました。
その象徴が、名古屋でも数少ない「レーザーターンテーブル」の導入です。従来のレコード針とは異なり、光でレコードの溝を読み取るこの革新的なプレイヤーは、針では拾いきれなかった微細な音の情報まで再現できます。つまり、限りなく「原音に近い音」を楽しめるのです。
しかし、どんなに優れたプレイヤーがあっても、その音を空気の振動として私たちの耳に届けるのはスピーカーの役割。レーザーターンテーブルが再現した繊細なニュアンス、アーティストの情熱、録音スタジオの空気感。これらすべてを忠実に、そして魅力的に表現できるスピーカーでなければ、私たちの理想は実現できません。
あらゆるジャンルに対応する必要性
ELANでは、お客様からのリクエストにお応えしながら、幅広いジャンルのレコードを再生しています。ジャズの熱気あふれるセッション、クラシックの荘厳な響き、ロックの躍動感。それぞれが持つ個性を最大限に引き出せるスピーカーが必要でした。
特定のジャンルに特化したものではなく、どんな音楽でも高いレベルで再生できる「懐の深さ」。これが私たちの求めた条件でした。お客様の「懐かしの曲、思い出の曲を最高の音質で」楽しみたいという想いに応えるため、妥協は許されませんでした。
ライブ空間としての機能も重要
ELANは、レコード再生だけでなく、実際のライブ演奏も行う多機能空間です。オーナー自ら設計したライブステージや、豊かな響きを奏でるグランドピアノ、迫力のある生音を楽しめるアコースティックドラムセットも常設しています。
つまり、スピーカーには生演奏にも負けない迫力とリアリティが求められました。レコード音源とライブ演奏をシームレスに繋ぐ存在として、違和感のない音質が必要だったのです。
JBL「model4344」との運命的な出会い
初めて聴いた時の衝撃
数々のスピーカーを試聴する中で、私たちがmodel4344の音を初めて聴いた時の感動は、今でも鮮明に覚えています。それは単に「良い音」という言葉では表現しきれない、圧倒的な体験でした。
アコースティックドラムのシンバルが弾ける金属的な響き、ウッドベースが唸るように奏でる低音の振動、グランドピアノの鍵盤が叩かれる瞬間のアタック感。まるでアーティストが目の前で演奏しているかのような生々しさとエネルギーに満ち溢れていました。
この瞬間、私たちは確信しました。「これこそがELANの求めていた音だ」と。
JBLブランドの信頼性
JBLは、世界中のレコーディングスタジオやコンサートホールで愛用され続ける、プロフェッショナルオーディオ界の巨人です。その歴史は1946年まで遡り、音響技術の革新を牽引し続けてきました。
特に「43」シリーズは、スタジオモニターとして高い評価を受けてきた名器の系譜。model4344は、その最新の進化形として、多くのオーディオファンから絶大な支持を得ています。この実績と信頼性は、お客様に最高の音質を提供したい私たちにとって、非常に重要な判断材料でした。
実際のライブイベントでの活躍
2025年9月13日に開催された「Andante Live at ELAN」では、model4344がメインスピーカーとして大活躍しました。プロのミュージシャンによる繊細な表現から、パワフルな演奏まで、余すところなく客席に届けることができました。
翌日9月14日の「八巻志帆 Bassclarinet SOLO LIVE」では、ベースクラリネットという特殊な楽器の微妙な音色変化も見事に再現。アーティストからも「こんなに自分の音が美しく聞こえる会場は珍しい」とお褒めの言葉をいただきました。
このように実際のライブ現場での実績が、私たちの選択が正しかったことを証明しています。
model4344が実現する音楽体験の真価
力強く生々しいサウンドの魅力
model4344最大の特徴は、その「力強いサウンド」にあります。音楽に込められたエネルギーを余すことなく表現し、リスナーの心を直接揺さぶる力があります。
例えば、ジャズのドラムソロを再生すると、スティックが皮を叩く瞬間の衝撃、シンバルが空気を切り裂く音、スネアドラムの鋭いアタックが、まるで演奏者が目の前にいるかのようにリアルに響きます。これは単なる音の再生ではなく、「音楽体験の再現」と言えるでしょう。
ヴォーカル曲では、歌手の息遣いや感情の機微まで手に取るように感じられます。特にバラード調の楽曲では、歌詞に込められた思いが、声の表情を通じてダイレクトに伝わってきます。
あらゆるジャンルへの対応力
ELANでは様々なジャンルのレコードを扱っていますが、model4344はその全てを高いレベルで再生してくれます。
クラシック音楽では、オーケストラの壮大なスケール感を見事に表現。弦楽器の繊細な響きから、金管楽器の華やかな音色、ティンパニが轟くクライマックスまで、広大なダイナミックレンジを破綻なく再現します。特に、小編成の室内楽では、各楽器の位置関係まで明確に聞き分けることができます。
ロック音楽では、ギターの歪んだ音色やベースの重厚な低音、ドラムの迫力あるビートが、適度な迫力を保ちながらも耳に優しく響きます。音量を上げても音が濁ることなく、クリアな音質を維持する性能は、まさにプロ仕様の証明です。
ジャズでは、各楽器の輪郭が明確に描き分けられ、アドリブの掛け合いのスリリングな空気感まで伝わってきます。特にビッグバンドジャズでは、多数の楽器が同時に演奏される複雑なアンサンブルでも、一つ一つの音が埋もれることなく聞こえるのは驚きです。
原音忠実再生という哲学
model4344の設計思想の根幹にあるのは、「原音忠実再生」という哲学です。これは「何も足さず、何も引かない」、つまり録音された音をありのままに再現するという考え方。
この思想は、レーザーターンテーブルのコンセプトと完璧に合致しています。プレイヤーが拾い上げた膨大な音楽情報を、スピーカーが色付けすることなくストレートに出力する。この理想的な連携によって、アーティストが本来届けたかった音、スタジオで実際に鳴っていた「本物の音」が、ELANの空間に立ち現れるのです。
音響空間としてのELANの設計哲学
オーナー自らが手がけた音響設計
ELANの音響環境は、偶然の産物ではありません。オーナー自らが音響特性を徹底的に考慮して店内を設計しました。
単に「広く落ち着いた雰囲気」を作るだけでなく、音が不自然に反響したり、特定の周波数がこもったりすることがないよう、細部まで計算されています。壁面の材質、天井の高さ、家具の配置まで、すべてが理想的な音響環境の実現を目指して決められました。
特に重要だったのは、残響時間の調整です。適度な残響は音楽に豊かさを与えますが、過度になると音が濁ってしまいます。ELANでは、クラシックからロックまで様々なジャンルに最適な残響特性を実現するため、吸音材と反射面のバランスを綿密に設計しました。
全席で均一な音質を実現
私たちが目指したのは、店内のどの席に座っても質の高い音楽体験ができる空間です。スピーカーの設置位置と角度を慎重に調整し、音の指向性を最適化しました。
カウンター席、テーブル席、ソファ席。それぞれ異なる位置にありながら、どの席でもmodel4344の真価を感じていただけるよう工夫しています。これにより、コーヒーを片手に読書をされる方、ご友人と語らう方、一人静かに音楽に聴き入る方、それぞれが理想的な音楽体験を楽しめます。
多機能空間としての音響対応
ELANは喫茶店としてだけでなく、ライブ会場や録音スタジオとしても機能します。この多様な用途に対応するため、音響システムには柔軟性も求められました。
model4344は、小音量でのBGM再生から、ライブ演奏時の大音量まで、幅広いレベルで高品質な音を提供します。また、録音時のモニタースピーカーとしても優秀で、エンジニアが正確な音質判断を行うことができます。
お客様に届ける「贅沢なひととき」
一日を通じた音楽体験
ELANの営業時間は朝10時から夜23時まで。一日を通じて長く扉を開けており、それぞれの時間帯に応じた音楽体験をお届けしています。
朝のモーニングタイムには、一日の始まりにふさわしい爽やかな楽曲。昼のランチタイムには、会話を邪魔しない程度の心地よいBGM。午後のアフタヌーンタイムには、リラックスできるジャズやクラシック。夜の時間帯には、ビールやワインを片手に楽しめる、少しムーディな楽曲。
どの時間帯に訪れていただいても、model4344が奏でる最高の音楽がお客様をお迎えします。
リクエストシステムの充実
私たちは、お客様からのレコードリクエストを随時受け付けています。「あの頃よく聴いた思い出の曲を、最高の音で聴いてみたい」そんなお客様の想いにお応えするのも、ELANの大切な役割です。
実際に、常連のお客様から「学生時代によく聴いたビートルズのアルバムを、こんなに良い音で聴いたのは初めて」というお言葉をいただいたことがあります。レーザーターンテーブルとmodel4344の組み合わせが生み出す音質に、多くの方が驚かれます。
音楽教育の場としても
ELANでは、山内クロマチックハーモニカ教室の発表会なども開催しています。生徒さんたちが日頃の練習の成果を披露する際、model4344は演奏者の細かなニュアンスまで正確に客席に届けます。
教育的な観点からも、良質な音響環境は非常に重要。演奏者は自分の音を正確に聞くことで上達し、聴衆は楽器本来の美しい音色を体験できます。こうした音楽教育の場としても、model4344の果たす役割は大きいのです。
これからのELANが目指すもの
さらなる音楽体験の向上
私たちは現状に満足することなく、常により良い音楽体験の提供を目指しています。model4344の性能を最大限に引き出すため、定期的なメンテナンスとセッティングの見直しを行っています。
また、新しいレコードの発掘にも積極的です。まだお客様に知られていない名盤や、話題の新譜など、model4344の魅力を最大限に活かせる楽曲を常に探し求めています。
音楽文化の発信基地として
ELANは単なる飲食店ではなく、名古屋の音楽文化を発信する基地でありたいと考えています。model4344をはじめとする高品質な音響設備は、その実現のための重要な基盤です。
今後も「We Love Music」のような音楽イベントを通じて、多くの方に本物の音楽体験をお届けしていきます。プロのミュージシャンから音楽愛好家、そして初心者の方まで、すべての人が音楽の素晴らしさを感じられる場所。それがELANの理想です。
お客様との音楽的な対話
私たちが最も大切にしているのは、お客様との音楽を通じた対話です。「この曲のこの部分が好きなんです」「こんな気分の時に聴きたい曲があります」そんな会話から生まれる音楽体験こそ、ELANならではの価値だと考えています。
model4344は、そうした対話をサポートする重要な存在。お客様の音楽への想いを、最高の音質で形にするパートナーなのです。
結びに代えて──音楽への愛を込めて
私たちがJBLの名機「model4344」を選んだ理由は、決して有名だからでも、高価だからでもありません。
ELANが掲げる「最高の音質でレコードを楽しむ」というコンセプトを実現するために、その力強く生々しいサウンド、あらゆるジャンルに対応する表現力、そして「原音」に忠実なモニター思想が不可欠だったからです。
レーザーターンテーブルという最高の入り口から入った音の情報を、オーナー自らが設計したこだわりの空間で、model4344という最高の出口から解き放つ。この一連の流れすべてが、私たちの音楽への愛情の表れです。
音楽は、人生を豊かにする力があります。忙しい日常の中で、ふと立ち止まって美しいメロディーに耳を傾ける時間。それは何にも代えがたい贅沢なひとときです。
ELANにお越しの際は、ぜひ少しだけスピーカーに意識を向けてみてください。そこから流れてくる音の中に、私たちの想いを感じていただけたなら、それ以上に嬉しいことはありません。
お客様一人一人にとって特別な音楽体験をお届けすること。それが、私たちがmodel4344に込めた願いであり、ELANの存在意義なのです。
最高の音楽と心からのおもてなしで、皆様のご来店をお待ちしております。
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Cafe & Music ELAN
やわらかな音と、香り高い一杯を。
名古屋市熱田区外土居町9-37
光大井ハイツ1F 高蔵西館102
052-684-1711
営業時間|10:00〜23:00
定休日|月曜・第1&第3火曜日
アクセス|金山総合駅より大津通り南へ徒歩15分
市営バス(栄21)泉楽通四丁目行き「高蔵」下車すぐ
地下鉄名城線「西高蔵」駅より東へ徒歩7分
JR熱田駅より北へ徒歩9分
ゆったりと流れる時間のなかで、
ハンドドリップのコーヒーとグランドピアノの音色がそっと寄り添います
あなたの今日が、少しやさしくなるように。
Live Café ELAN でお待ちしております
